
ピロリ菌を指摘された方、除菌後の確認が済んでいない方へ
陽性という結果だけで判断せず、感染と胃の状態を確認しましょう
ピロリ菌は慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍などに関係し、胃がんの危険因子の一つです。症状がなくても感染していることがあり、検査の種類や服用中の薬によって結果の見方も異なります。
- 健診や血液検査でピロリ菌陽性と言われた
- バリウム検査や胃カメラで胃炎を指摘された
- 以前に除菌したが、除菌判定を受けていない
- 胃痛、胃もたれ、吐き気などが続いている
当院では消化器病学会専門医が診療し、胃カメラは内視鏡学会専門医が検査します。
ピロリ菌とは
ヘリコバクター・ピロリは、胃の粘膜に感染する細菌です。感染が続くと胃の粘膜に慢性的な炎症が起こり、時間をかけて萎縮性胃炎へ進むことがあります。感染していても自覚症状がない方は少なくなく、胃痛や胃もたれの有無だけでは感染を判断できません。
ピロリ菌が見つかったからといって、すぐに胃がんという意味ではありません。一方で、感染を放置してよいという意味でもありません。現在感染しているか、胃の粘膜にどのような変化があるかを確認し、除菌治療とその後の胃の確認について考えることが大切です。
ピロリ菌と関係する主な病気
感染した時期や経路を、個人ごとに特定することは通常できません。ご家族に陽性の方がいる場合も、家族全員が感染しているとは限らないため、必要性を相談したうえで検査します。
検査を考える方
健診や人間ドックで陽性を指摘された方だけでなく、胃・十二指腸潰瘍の既往がある方、胃炎を指摘された方、過去の除菌結果が分からない方なども相談の対象です。検査結果や胃カメラの写真・報告書がある場合はお持ちください。
抗体検査などの結果だけで現在の感染を確定できない場合があります。検査方法と数値を確認します。
胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃ポリープなどの所見と、これまでの治療歴を確認します。
薬を飲み終えただけでは、除菌できたか分かりません。除菌判定についてご相談ください。
吐血、黒い便、強い腹痛、食べ物が通りにくい、繰り返す嘔吐、原因不明の体重減少や貧血などがある場合は、健診を待たず早めに医療機関へご相談ください。
ピロリ菌の検査方法
検査には、胃カメラで胃粘膜を確認しながら行う方法と、胃カメラを使わない方法があります。どれか一つが常に最適とは限りません。症状、胃カメラ歴、除菌歴、服用中の薬を確認し、目的に合う方法を選びます。
胃カメラを使う検査
胃カメラでは、胃炎、潰瘍、腫瘍などがないか胃の粘膜を直接観察できます。必要に応じて組織を採取し、迅速ウレアーゼ試験、鏡検法、培養法、核酸増幅法などでピロリ菌を調べます。採取する場所や胃の状態によって結果が影響を受けるため、所見を合わせて判断します。

胃カメラを使わない検査
胃酸を抑える薬や抗菌薬などが検査結果に影響することがあります。服用中の薬は必ずお知らせください。検査のために自己判断で薬を中止しないでください。
健診のABC検診は、ピロリ菌抗体と胃粘膜の萎縮の指標を組み合わせて胃がんの危険度を分ける検査です。現在の感染や胃がんを確定する検査ではなく、胃がん検診や症状がある方の診断を置き換えるものでもありません。
除菌治療の流れ
除菌治療は、感染の確認と胃の状態を確認してから行います。保険診療でピロリ菌感染胃炎の除菌治療を行う場合は、胃カメラで胃炎を確認し、感染検査で陽性を確認することが基本です。

検査結果、胃カメラ歴、これまでの除菌歴、薬のアレルギー、現在の薬を確認します。
胃酸を抑える薬と2種類の抗菌薬を、通常7日間服用します。決められた回数と期間を守ることが大切です。
服用終了後、医師が案内する時期に尿素呼気試験や便中抗原検査などを行い、除菌できたか確認します。
一次除菌で菌が残った場合は、抗菌薬の一部を変更して二次除菌を行います。二次除菌後も、再度の除菌判定が必要です。
過去に除菌薬を飲んだことがある方、薬のアレルギーがある方、ほかの医療機関で治療した方は、分かる範囲で薬の名前や時期をお知らせください。必要に応じて薬剤感受性を考慮した検査や治療を検討します。
副作用・注意事項
除菌治療中には、下痢・軟便、味覚の変化、腹部の不快感、吐き気、発疹などがみられることがあります。症状の程度によって対応が異なるため、自己判断で薬を減らしたり中止したりせず、当院へご連絡ください。
息苦しさ、顔やのどの腫れ、全身に広がる強い発疹、意識の異常、激しい腹痛、血便などがある場合は、服用を続けるか自己判断せず、速やかに医療機関へ相談してください。緊急性が高い場合は救急受診を検討してください。
二次除菌でメトロニダゾールが処方された場合は、飲酒を避ける必要があります。飲酒を控える期間や、ほかの薬との飲み合わせは処方時に確認してください。妊娠中・授乳中の方、持病がある方は診察時にお知らせください。
検査・除菌治療の費用
費用は、保険診療となる条件、胃カメラの有無、組織検査、感染検査、処方内容、除菌判定の方法などによって異なります。一律の金額ではありません。
保険適用の可否は、検査結果や胃カメラ所見、これまでの治療歴によって判断します。健診結果だけで治療を開始できない場合もあるため、結果用紙をご持参ください。
除菌後も胃の確認が大切です
除菌前に生じた胃粘膜の変化は残ることがあり、除菌後に胃がんが見つかることもあります。除菌できたかの確認と、その後の胃の経過確認は別のものです。
胃カメラの間隔は、年齢、胃がんや潰瘍の既往、萎縮性胃炎の程度、家族歴、これまでの胃カメラ所見などを踏まえて個別に相談します。全員に一律で毎年と決めるのではなく、その方の危険度に応じて考えます。
除菌後でも、胃痛、黒い便、食べ物の通りにくさ、体重減少などがある場合は、予定した検査時期を待たずに受診してください。
胃カメラの方法、土曜日の検査、WEB予約については、胃カメラ検査のページをご覧ください。
当院での受診、検査・除菌治療の流れについては、当院のピロリ菌検査・除菌治療のご案内をご覧ください。
よくある質問
ピロリ菌に感染すると必ず症状が出ますか?
症状がない方もいます。胃痛や胃もたれがあっても、ピロリ菌以外の病気が原因のことがあります。症状だけで感染の有無は判断できません。
家族が陽性でした。自分も検査した方がよいですか?
ご家族が陽性でも、ご本人の感染が決まるわけではありません。ただし、ご家族の感染歴や胃がん・胃潰瘍の家族歴は、検査を相談するきっかけになります。症状、検査歴、年齢などを確認して判断します。
抗体検査が陽性なら、そのまま除菌できますか?
抗体は過去の感染や除菌後でも陽性が続くことがあります。検査の数値や過去の除菌歴を確認し、必要に応じて現在の感染を別の方法で確認します。陽性結果だけで自己判断して治療を始めることはできません。
陽性なら胃カメラが必要ですか?
保険診療でピロリ菌感染胃炎の除菌治療を行う場合は、胃カメラで胃炎を確認することが基本です。胃の病気を同時に確認する意味もあります。過去の検査歴によって対応が異なるため、結果を持ってご相談ください。
一次除菌で菌が残ったら、もう治療できませんか?
一次除菌で菌が残った場合は、抗菌薬の一部を変更した二次除菌を検討します。二次除菌後も、案内された時期に除菌判定を受けます。
除菌に成功したら、胃カメラは不要ですか?
不要とは限りません。除菌後も胃がんの危険はゼロにならないため、胃粘膜の状態や既往歴に応じて、胃カメラの時期を相談します。
検査や除菌治療の費用はいくらですか?
保険診療となる条件や、胃カメラ、組織検査、感染検査、処方内容によって異なります。診察時に必要な検査と費用の考え方をご案内します。
陽性の結果、健診結果、お薬手帳、過去の胃カメラ結果があればお持ちください。受診する診療内容が分からない場合は、一般外来からご予約いただけます。
診察の結果、必要な検査や治療をご案内します。
たつの市・太子町でピロリ菌の検査・除菌治療をご検討の方へ。相生市、姫路市西部、赤穂市など周辺地域の方もご相談いただけます。




