目次
糖尿病と診断された方・血糖値が気になる方へ
― 知ることから始める、未来のための健康管理ガイド ―
第1章:糖尿病とは?―体の中で起こっていること
糖尿病は、血液中の「ブドウ糖(血糖)」が多すぎる状態が続く病気です。
通常、食事で摂った糖はインスリンというホルモンの助けで細胞内に取り込まれ、エネルギーとして使われます。しかし糖尿病では、
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インスリンが「足りない」
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インスリンが「効きにくい」
このどちらか、または両方により、糖が細胞に届かず血液中に残ってしまいます(=高血糖)。
これが体にさまざまな症状を引き起こします。
代表的な症状:
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強い喉の渇き、多尿
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疲れやすさ、体重減少
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食べてもすぐ空腹になる
第2章:糖尿病の種類と原因
● 主な2つのタイプ
特徴 | 1型糖尿病 | 2型糖尿病 |
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原因 | 自己免疫(インスリンが作れない) | 生活習慣・遺伝(インスリンが効きにくい) |
発症時期 | 若年に多いが全年齢に起こる | 中高年に多く、ゆっくり進行 |
治療 | インスリン注射が必須 | 食事・運動、必要に応じて薬物治療 |
日本人の約9割は「2型糖尿病」です。
● その他の糖尿病
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妊娠糖尿病
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他の病気や薬剤による糖尿病
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遺伝子異常による糖尿病(MODYなど)
第3章:体からのサインに気づく
糖尿病の初期症状は「ほぼ無症状」。
しかし以下のような症状が出てきたら要注意です。
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異常に喉が渇く/夜中に何度もトイレ
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食べても痩せる/疲れが取れない
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目のかすみ/手足のしびれ/傷が治りにくい
▶ 無症状でも、健康診断での「血糖値」や「HbA1c」の確認が重要です。
第4章:なぜ糖尿病になるのか?
● 遺伝的要因
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家族に糖尿病がいると2〜4倍リスク増
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アジア人(日本人)はインスリン分泌が弱い傾向
▶ ただし「遺伝=運命」ではありません
予防行動ができる”チャンス”と考えましょう。
● 生活習慣・環境要因
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内臓脂肪型肥満
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過食、高カロリー・高糖質食
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運動不足、加齢、ストレス、睡眠不足、喫煙・過度の飲酒
第5章:放置のリスク ― 合併症の怖さ
糖尿病は進行すると「血管」を蝕み、命に関わる合併症を引き起こします。
● 三大合併症(細い血管の障害)
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神経障害:手足のしびれ・痛み、壊疽のリスク
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網膜症:失明の原因に
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腎症:腎不全 → 人工透析が必要になることも
● 大血管障害(動脈硬化)
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心筋梗塞、脳梗塞
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足の血流障害(末梢動脈疾患)
▶ 早期治療で、これらの合併症は「予防可能」です。
第6章:診断から治療までの流れ
● 診断基準
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空腹時血糖値:126mg/dL以上
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HbA1c(過去の血糖の平均):6.5%以上
▶ 血液検査で数値を確認します。
第7章:治療の三本柱は「食事・運動・薬」
● 食事療法:バランスと工夫がカギ
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「野菜→たんぱく質→炭水化物」の順で食べる
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白米→玄米や麦ごはんへ
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清涼飲料水を控え、水やお茶に
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揚げ物より「蒸す・焼く・茹でる」
● 運動療法:無理なく継続
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目安は週150分の有酸素運動(ウォーキング等)
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筋トレも取り入れると効果アップ
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階段利用やその場足踏みなど、日常に取り入れる工夫を
● 薬物療法
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食事・運動で効果不十分な場合に
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飲み薬・注射(インスリン)などを適切に使用
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薬だけに頼らず、生活改善があってこそ効果発揮
第8章:今日からできる小さな一歩
シーン | 見直す習慣 | できる工夫 |
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食事 | 大盛りご飯からスタート | まずは野菜から食べる |
飲み物 | 缶コーヒーやジュース | 無糖のお茶や水に |
移動 | エレベーター利用 | 階段を使う |
自宅での過ごし方 | テレビを見続ける | CM中にストレッチ |
第9章:健康診断は「未来へのチャンス」
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境界型(予備群)でも対策すれば発症を防げる
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数値の「変化」=体からのメッセージ
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年に1回、自分の健康を「見える化」する貴重な機会です
おわりに:一人で悩まず、まずは相談を
糖尿病は、正しく向き合えばコントロール可能な病気です。
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「健康診断で指摘されたけど、何をすれば…?」
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「家族が糖尿病。自分も心配」
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「最近疲れやすく、血糖が気になる」
たつの市、太子町、姫路市、相生市、赤穂市の方で、糖尿病について気になっている際は、📞 ご相談・ご予約は当クリニックまで、お気軽にお問い合わせください。
あなたの生活に合った、無理のない対策をご提案いたします。